小さい頃から家には猫がいました。
　　　野良猫や捨て猫を家猫にしました。

　　　わたしの故郷は茨城県の海沿いの港町です。
　　　山あり畑あり田んぼもあって、遊びには事欠かない環境でした。
　　　どの家の猫も、家の内外を自由に闊歩していました。

　　　野良猫もたくさんいました。
　　　みな丸々と太っていたように思います。
　　　野鼠や虫や鳥を捕まえては食べていました。
　　　港町ですから魚にもありつけたと思います。
　　　
　　　冬の寒い時期にはどこかの家の納屋で寝泊りし、
　　　夏の暑い時期には海風を受けて木陰で休んだことでしょう。
　　　こんなふうに
　　　今思い出してものどかな光景しか浮かんでこないのです。

　　　要するにわたしは、野良猫に対して”陽”のイメージしかなかったのです。
　　　野良猫は野良猫なりに、しあわせなのだと思っていました。
　　　（それは今も心のどこかにあるのですが…）


　　　わたしは今、川崎市に住んでいます。
　　　縁あって２匹の猫と暮らし始めました。
　　　（このあと１匹増えますが…）
　　　その時ネット上に「里親募集」なるものがあることを知り、
　　　数限りないたくさんの猫（犬やほかの動物たちも）たちが
　　　路頭に迷っていることを知りました。
　　　病気や怪我で苦しんでいる子のなんと多いことか…。

　　　時代は移り変わっているのでした。
　　　野良猫が自由に歩き回る世界なんてなくなっているのでした。
　　　もしかしたら
　　　子どもの頃に見た野良猫のしあわせそうな暮らしぶりは
　　　わたしが幼かったからそう見えただけなのかもしれません。


　　　わたしは何かの団体に属しているわけではありません。
　　　こぶしを振りかざし、「愛護」を声高に叫ぶものでもありません。

　　　ただ…
　　　路頭に迷う野良猫や捨て猫（犬や他の動物たち）たちへ
　　　何か出来ることがないかな、と思いました。

　　　わたしひとりの力は微力なものです。
　　　でも、何か力になれたなら…と思います。


　　　もちろん、楽しい話、おかしい話、大歓迎です！
　　　本来ならばそんな話が満載だったらいいですね。







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